私の体験した怖い話

雨続きで少し肌寒いけど夏も近付いているし、私の体験した怖い話でも書いてみようと思う。

それは中学2年生の秋のこと。実家のベットで眠っていた時に起こった。

当時ベットは窓際にあり、すぐにベランダに出られる位置にあった。それを見た母は「窓側は冷気が入ってくるから壁際の方が暖かいよ」と言っていたのだが、私は寝ながら外の景色を見られる方がいいと思い窓側に設置したまま動かさなかった。

また私は何故か夜もカーテンを閉める習慣がなく(他の家族は閉めていた)カーテンを開けたまま眠っていた。
夜ベットで横になると家の前の大きな木が風に揺れていたのを覚えている。
風の強い日はその木は大きく揺れ、中々怖かった。(それでもカーテンを閉めなかったのは何故なんだ!)

寝床に着いたのは12時を回った頃だった。携帯電話でひとしきり怖い話を読んでから眠るのが習慣となっていた私は、液晶の光でショボくれた目を擦りながら眠りについた。

眠りに着いて2時間ほど経った頃、ふと目を覚ました。そして怖い話あるあるの金縛りにあっていた。
金縛りになるのが初めてだった私は少し興奮していた。いつも携帯電話で読んでいた体験が実際に起こっている!!やはり心霊現象は本当にあるんだ!とか思っていた。もはや脳内お祭り状態のお花畑野郎だった。

その時ふとベットの横に女性が立っていることに気が付いた。怖い話やホラー映画で典型的な髪の長い女性が貞子スタイルでいらっしゃった。流石に見も知らぬ女性がいらっしゃるとなると先程までの興奮はどこへやら、一気に恐怖と戸惑いが湧き出てきた。

どうしよう、何したらいいんだろう。

とりあえず金縛りとは言えども隣の部屋で寝ている姉へ助けを求めようと声を出そうとした。

出ない。息が微かに漏れるだけ。

戸惑いは焦りになり必死に指先や足先を動かそうとするも動かすことは出来なかった。

お祭りお花畑状態から一気にパニックに陥った私は、そのままアワアワしていた。

暫くの時間が過ぎてまた少し落ち着いた私は、女性との間に流れるなんとも言えぬ奇妙な居心地の悪さを感じた。

私の寝ている姿を見ても良いことは起こりませんよ。
私はもう眠りにつきますからね、なんてことを少し緊張しつつ、わりかし呑気に考えていた。

その時、女性が私の頭の先と足の先を両手で挟み、緩やかに上下で圧迫してきた。

今まで読んできた怖い話ではこんなパターンは無かったぞ!
首を締めるとかではなく、その斬新な行動にひたすら戸惑いを感じた。
また当時の私は低身長を気にしており、上下で圧迫されると背が余計に縮まるのでは無いかという恐怖に襲われた。

やめて!!背が縮んじゃう!!私の夢は身長180センチまで伸びることなの!!

序盤苦しいとか痛いという感覚はあまり無かったが、次第にその力は強くなり少しずつ苦しみを感じ始めた。女性は私の体の上に半身乗り出し、本気の腕力を示していた。

今までのおふざけ脳内を反省するように私は一心不乱に「南無阿彌陀仏」と唱え始めた。念仏が未知との遭遇の場合良いというネットサーフィン事前学習の成果を発揮した。そして心の底から「どうか成仏して下さい。健やかに天国に行って下さい。」という良い子の優しさを必死にアピールした。

アピールの甲斐があってか、唱え初めてから暫く経つと女性は居なくなっていた。同時に体が動くようになり、私は起き上がった。

あれ!!今のって本当の体験!?それともリアルな夢!?

自分の体験に疑心暗鬼になりながら、とりあえず落ち着くためにトイレに行こうか怖いから止めようか迷った挙げ句トイレに行き、水を飲み再びベットに戻った。
鏡で見ても特に手の痕や何かしらの痕跡もないことに安堵と若干の証拠不足を感じた。
不思議な体験をした興奮と
「あぁ~怖い話の中の神主シリーズ読んでおいてよかった。念仏はやはり良いんだな~。」
という神仏ごちゃ混ぜ論の感想を抱きながら再び眠りについた。

翌日、家族に一部始終を話した。
家族全体の感想としては「夢かもしれないけど、万一の時に念仏をするのは良い対処法だ」というもたのだった。

ちなみに父は若干霊感があり(小指が薬指の第一間接より長い)実家で女性の霊を見たことがあるとのことだった。ただ悪い人ではなく、穏やかな人とのことだった。

え、その人なのかな?
序盤ソフトタッチだったのは優しさからかしら?
後に私の失礼さによって激しさを増したのかな?

あれは毎夜怖い話ネットサーフィンをしている私を戒める為に、「早く寝ないと背は伸びないぞ!」と忠告に表れた方だったのかもしれない。


今気がついたことですが、最初のカーテンの下り特に関係無かったですね。ちなみに今も不用心にカーテン開け放っていることが多いです。
(いい加減閉めろ)